人工内耳の体外機の買い替え助成に関して
2017年、市内に住む小学生の人工内耳装用児の親3人で、市長宛ての要望書を市役所に出してきました。
人工内耳の現状の扱いや問題点とともに、装用児の親としての視点で話をしてきました。
学校生活での聞こえは学習に直結すること
就学を機に買い替えの検討をすることが多いこと
実際は、高額負担のため断念せざるを得ない家庭が多いことなど
県内で助成される市が増えていること
以下がその要望書です。
人工内耳友の会の支部からいただいた雛形に装用児の親としての想いを加えたものです。
良ろしければこれをたたき台にして要望書を作り活用していただければと思い、恥を忍んで公開します。
誤字脱字がありましたらご容赦ください。
また、3年前に作成したものですので助成状況や最新機種情報など現在の状況にそぐわない内容もあります。適宜修正していただけたらと思います。
何かしたいと思われている装用者様、保護者様の助成活動の一助になれれば幸いです。
なお、現在の人工内耳の助成状況は人工内耳友の会のHPより確認できます。
⇒https://www.normanet.ne.jp/~acita/
こちらも要望書とともに持参しました。
最新版2019年11月はこちら⇒https://www.normanet.ne.jp/~acita/news/josei.pdf
これによると、3年前は88の市町村だった助成が、現在は200近い市町村が助成されていることになります(*‘∀‘)
この3年で随分助成される市町村が増えてきたようですね。
人工内耳の体外機の買い替え助成 要望書
〇〇市長
〇〇様
人工内耳体外機の購入等に対する助成について(要望)
○○の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、私たちの子どもは聴覚障害があり人工内耳を装用しています。
人工内耳は、補聴器では装用効果のない重度の聴覚障害を持つ者(児)が装用しています。体外機(音声信号処理装置)と手術によって頭部に埋め込む体内機(インプラント)からなる医療機器です。人工内耳手術は、わが国では1985年から手術が始まり、1994年から健康保険が適用されるようになりました。1998年には小児の適応基準が2歳以上となり、2014年には生後12か月とさらに拡大されました。現在、年間約600例の手術が行われるうち、約4割が小児となり、今後人工内耳装用児が増えていくことが考えられます。
人工内耳装用者(児)は手術をすれば終わりではありません。
一台およそ100万円する体外機の維持管理は、装用者(児)の自己責任の下で一生涯続きます。しかしながら、医療保険は最初の手術と一台目の機器のみしか適用されず、体外機の修理や再購入の費用は自己負担することが求められており、装用者及び装用児の保護者の大きな経済的負担となっています。近年増えている両耳側装用者(児)においては、200万円以上となる二台の体外機を維持しなければなりません。これが大きな負担となっていることはご想像いただけると思います。
一方、補装具として認められている補聴器は、その購入費用が助成され、耐用年数により再購入の助成も認められています。人工内耳は、補聴器と同様の機能でありながら、自己負担による維持管理が求められています。新しい機種のよりよい聞こえは、重度難聴児において健聴児と同様の言語発達の促進や学力向上が見込まれます。また技術の進歩により体外機の騒音抑制機能や防水機能などを備えた機種では、生活面の不自由さが改善され、社会活動への参加が活発に促されます。しかしながら、経済的負担の大きさから新しい体外機に買い替えることができずに長年使い続けている装用者(児)が多くみられます。
2016年4月1日より施行された障害者差別解消法では合理的配慮が定めされており、さらに障害者基本法第24条では障害者の経済的負担の軽減について言及されています。2017年2月現在、体外機を対象とした買い替え助成が全国の88市町村で開始されています(「人工内耳友の会」HP参照http://www.normanet.ne.jp/~acita/news/kaikae.htm)。わが県においては、日常生活用具費として〇〇市、〇〇市、〇〇市で助成が受けられます。また、昨年より〇〇市でも体外機の買い替え助成が始まりました。
すべての聴覚障障害者(児)にとってさらに住みやすい街になるように、以上のような人工内耳装用者(児)が置かれている状況をご勘案いただき、経済的負担の軽減、学習支援、社会参加の促進から、上記の自治体と同様に〇〇市でも人工内耳の体外機の買い替え等に対して自己負担が軽減されますよう下記の通り要望いたします。ご検討いただき実現してくださいますよう切にお願いいたします。
記
1.背景
1-1 人工内耳装用者(児)は、装用を継続するにあたり、消耗品(送信ケーブル類(一部保険適用)マイクロホンカバー、乾燥用剤等)及び空気亜鉛電池または専用充電池の使用が必要である。また、体外機への買い替え、修理等、多大な経済的負担が必要となっている。
1-2 福祉制度における聴覚障害者への「補装具費の給付」では、補聴器はその対象となり、購入及び修理のための費用の一部または全部が支給され、耐用年数5年で再交付も可能であるが、人工内耳は医療用材料であるため、その対象とはなっていない。
1-3 上記の状況下では、例えば福祉助成(補装具費の給付)を受けて補聴器を使用していた聴覚障害者(児)が、その障害の程度が大きくなり人工内耳を装用した場合、障害が重くなったにも関わらず、金銭的な助成が少なくなるという矛盾が生じている。
2.要望内容
2-1 体外機の買い替え時の助成適用
新しい体外機(人工内耳用音声信号処理装置)の買い替えにおいて、補聴器のような耐用年数を考慮した助成を望む。
※日本コクレア社の人工内耳用音声信号処理装置Nucleus6の場合
標準セット######円
2-2 体外機用電池の健康保険適当
消耗品として費用負担が大きい体外機用の空気亜鉛電池または専用の充電池に対し健康保険が適用されることを望む。
※日本コクレア社の人工内耳用音声信号処理装置Nucleus6の場合
専用充電池16,800円/1個 →一般例:4個を2年間使用すると約33,600円/年の負担
空気亜鉛電池578円/6個 →一般例:2個/2日間使用すると約35,162円/年の負担
両側装用者(児)の場合は、この2倍の負担になります。
詳細な資料等が必要であれば対応させていただきますので、ご高配を賜りますよう存じます。
以上
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