難聴赤ちゃんの子育て
言葉育ては家庭にあり

人工内耳手術を検討する

重度難聴


息子は先天性の重度感音性難聴です。

生後7か月から補聴器を装用しました。

まだ小さかった息子の耳に補聴器をつけて話しかけ、子守歌を歌い、近所を散歩し、いろんな音を聞く時間を作ってきました。

しかし、呼びかけに振り向きません。

太鼓の音にも反応がありません。

補聴器を装用しても装用閾値がとれませんでした。音は全く聞こえていないことが分かりました。

 

人工内耳手術の検討


補聴器を装用して半年を過ぎたころから、私たちは人工内耳手術を受けることを検討し始めました。

人工内耳関連の書籍を読み、夫と何度も話し合い重ねました。

 

病院で人工内耳を装用するお子さんとお母様とお話する機会をいただいたりもしました。

また、人工内耳相談会にも参加しました。

それまで日常生活の中で人工内耳を装用した人にお会いしたことがなかったので、相談会に人工内耳を装用したお子さん連れの家族や、多くの成人装用者の方がたくさん参加されていてほっとしました。医師とメーカーからも話がありましたが、人工内耳装用者の体験談はなによりも勇気づけられました。

そこで手術のリスクは知ったうえで、音が聞こえるようになるならばそれに賭けてみよう。手術を受けよう。

息子が自分で判断できない時期に受ける手術。一生、頭の中に埋め込まれたインプラントと付き合うのは息子自身です。息子の意思が伴うまで待つべきなのか。それも悩みました。

しかし、聴神経の成長が著しいこの時期を逃すと人工内耳の装用効果も低くなります。それは、音が聞こえることと、言葉を理解することは別だということです

言葉を知らない赤ちゃんです。聞こえた音を言葉として理解して話すまでには時間がかかります。そして音声による言語獲得には臨界期があることを知りました。

人工内耳を装用しても聞こえる私たちのようには聞こえない。それでも、早く音を、声を聞かせてあげたい。息子とおしゃべりしたい。将来、息子に聞こえてよかったと言ってもらえることを信じ、決断しました。

息子が一歳半になった次の日、人工内耳手術を受けました。