家庭でできる難聴療育
難聴赤ちゃんの子育て
言葉育ては家庭にあり

(6)自覚で聴力検査をできるように

音の条件付け


人工内耳手術後に始めた「音の条件付け」の遊びのご紹介です。

とてもシンプルで簡単な遊びですが、これのおかげで自覚による聴力検査とマッピングのTレベルが測定できるようになりました。

 

「音の条件付け」

音が聞こえたら、決まったアクションをとる。

 

音の条件付けができると、

音を聞く姿勢と、音が聞こえたら知らせる行動が身につきます。

聴力検査のボタン押しにつながります。

 

 

健聴の人にとっては意識せずに入ってくる音ですが、難聴児にとっては意識して音をきくとことからスタート。

すでに、スタートの位置が後ろなんですよね。

息子は補聴器装用時代(7か月~1歳半)全く音が聞こえなかったので、人工内耳を装用してもしばらくは聴力検査もマッピングも全然進まないという、もどかしい状況が続きました。

(自覚的な検査ができるまでは、CORによりSTの先生の観察による他覚的な方法が用いられます。聴力検査やマッピングができないわけではありませんが、観察者によって測定値にバラツキが生じることがあります。)

音を聞く姿勢ができないのは無理もないことですが、療育施設だけのトレーニングでは到底できないと感じたので、わが家は家で条件付けの遊びを始めました。

 

何かチップと中身が見える容器を用意して、容器にはチップがぎりぎり入るくらいの穴を二つあけておきます。

うちは要らなくなったPCのキーと、食品保存用のコンテナに穴をあけて使っていました。

それから、私と息子、それぞれチップをひとつずつ持ち、

私が「聞くよ~」と言って、

一緒にお耳の横に手をかざす「聞くよポーズ」をし、

タイミングをずらして私が笛をふきます。

笛の音が聞こえたら、どちらが先にチップを容器の中に入れれるかという速さを競う遊びです。

 

笛を使ったのは、ずっと口に入れたままで音が出せるし、他の楽器のように音を出す動きで音が出たかは相手には分からないため2人で遊べるからです。

普通に考えると笛を吹いている人が先に入れられるのは当然ですが、2歳前だった息子はそこまでは疑問には思わなかったらしく、これで笛の音が聞こえるのを待てるようになりました。

中身が見える容器を使ったのは、たくさん遊んだねと、目に見えて分かるからです。

 

さて、この遊びも始めのころは、笛の音が聞こえるまで息子は待つことができず、すぐに穴の中に自分のチップを入れたがり、なかなか音を聞いてくれるところまで待つことができませんでした。

ですが、何度も手で制止しながら、

「聞くよ~」から始まって、

笛を吹いて、

「はい、入れるよー!」を繰り返すうちに、

音が聞こえるまでは入れちゃいけないんだと分かってくるようになり、手にチップを持ったまま待てるようになりました。

 

音が聞こえるまで待つ、音が聞こえたらすぐにチップを入れるっていうことは、この遊びで身に付いた感じです。

トレーニングぽくなく、ゲーム感覚でやっていたので、息子も覚えが早かった気がします。それと、イヤイヤ期前で遊びに対してとても素直でした。

 

 

補聴を初めてしばらくは、インプットが大切です。丁寧な声かけが一番必要です。発語などアウトプットはその先です。

でも声がどこまで聞こえているか分からなくて不安です。「バナナはどれかな?」なんて聞いても選べるわけありません。

そんな時期にどうにかしてアウトプットを引き出したい、聞こえていることを確認したいと始めたトレーニングです。ゆっくりですが、音に対する感度が上がっていくのを感じました。

期待も大きい時期ですが、ゆーっくりお耳は成長します。気長に丁寧に。

 

聴力検査がなかなかできないお子さんがいたら、自宅で遊びながら試してみてはどうでしょうか。

もし、パパや兄弟の協力が得られたら、音出しを違う人にやってもらうと、より競争らしくなるかもしれませんね。