※補聴器を装用しても音の反応が全くなかった重度難聴の息子。2012年3月、1歳6か月で人工内耳手術をしました。
『お耳の成長記録』として、人工内耳を装用してからの息子の様子、聴こえの変化、ことばの表出記録などを、当時のメモをもとに過去を振り返って綴っています。
まとめはこちら>>>『お耳の成長記録』
人工内耳装用1年(2歳6か月)
人工内耳手術をしてからちょうど1年の頃の話です。
補聴器の装用効果が全くなく、人工内耳手術を受けたのが1歳半。しかし人工内耳を装用してもはじめの8か月間は発語がほとんどありませんでした。ここが一番の忍耐の時だったように思います。
心がけてきたことはこの3つ
- 言葉は家庭で育てる
- 生活を柱として丁寧に関わる
- 「声かけ」
人工内耳装用してから9か月目。ようやく実家の両親も気づくほど発語が増えました!
そして、手術からあと1週間で一年という時、「二語文」がでました。
聴き取り検査を受ける
人工内耳手術から1年。
病院で聴き取りの検査をうけました。
人間セット、生活道具セット、乗り物セット、食べ物セット、動物セットの立体フィギュアが目の前に並べられ、それぞれの名称をSTの先生から聞かれました。
その後、スピーカーから流れる文章を聴き取って、物を使って表現する検査でした。
ただし、この検査の中では人形セットの名称が決まっていました。
大人の男の人は、パパではなく「おとうさん」
大人の女の人は、ママではなく「おかあさん」
男の子は、「おにいちゃん」
女の子は、「おねえちゃん」
今は私たち両親のことを息子は、「おとうさん」「おかあさん」と呼びますが、当時はまだ「パパ」「ママ」を使っていました。
いつも息子が聞いていたり使っていたりする言葉とは違う言い回しで問われるので、はじめに先生に教えてもらいました。
この人は、「おとうさん」だよ、というように。
いろんな言い回し、やはり普段から使ってあげないといけないなと感じましたね(^^;)
スピーカー:おねえちゃんが走っています
という、スピーカーから流れる言葉を聴き取って、息子は人形セットから「おねえちゃん」を選んで走らせることができました。
「おねえちゃん」が分かった!!!
その他、「おにいちゃんがすわる」「おとうさんがねる」など、他の二語文も聴き取れていることが分かりました。
しかし、三語文以上の文章は理解ができていませんでした。
例えば
スピーカー:さるがリンゴをたべています
というような文章の場合、「リンゴ」しか選ぶことができませんでした。
おーい、「おさるさん」はどこに行った???
普段のやりとりでは、だいぶ聞くことができているように感じていましたが、まだまだだということがよく分かりました。
そして、この聴き取り検査より以下のことが分かりました。
・スピーカーから流れる音声が聴きとれること
・二語文の文章では、主語となる人や物は聴きとれること
・二語文の文章で問われた基本的な生活で使われる動詞は、まだ理解できない言葉があること
・三語文以上の文章では、1語または2語しかまだ聴きとれないこと
園探しとプレ保育
園探しを始めたのが半年前。
その時の記事はこちらです
それから半年。
来年度から就園という歳を迎えたこの4月。近くの保育園や幼稚園の園庭開放に行くなどして園探しを継続しながら、次の3つの園のプレ保育に通うことにしました。
- 私立保育園(生徒数は多く、活気がある。先生が朗らかで温かい。徒歩圏内)
- 私立幼稚園(幼児教育に力を入れている。行事が豊富。バス通園)
- 公立幼稚園(生徒数が少なく、自由時間が多い。親参加の行事が多い。自転車通園)
実は、どの園にもプレ保育を申し込む前に、「うちの子、難聴ですが参加してもいいですか?」という許可は取りませんでした。
親子参加型だから、人工内耳の管理を先生方に任せるわけではありません。私が常に一緒にいるので、聴こえやすいように前に座ったり、聞こえないところや理解できない場面は私が説明を補ってあげればいいかと思ったためです。
そしてプレ保育に1年間(実際は秋まで)通う間に息子の様子をみていただければ、入園希望を出したときに園側も預かることが可能かどうかの判断ができるかなと思ったためです。
それはこちらも同じことで、プレ保育に通ううちにここの園では厳しそうだ、難聴理解がなさそうだとか、雰囲気で分かりそうですし。
まずは通ってみようと思いました。
幼稚園、保育園の中には入園を前提としたプレ保育やプリスクールを実施しているところがあります。その場合は、「聴覚障害があること」「難聴であること」「補聴器(人工内耳)を装用していること」を最初に申し出ておく必要があるかと思います。
実際、上記3つの園の中には障害児の受け入れに寛容でない園もありました。
しかし、難聴児を預かったことがないのはどこも同じです。
当時は息子が楽しく過ごせる園か安心して任せられるか園かどうか、この二点を重要視していました。
そして、家から近ければ尚一層いいなと考えていました。
今思い返せば、まだ二語文程度の言葉しか話せない、言葉もまだほとんど理解できない中で、よくプレ保育に参加したなと思います。でも思い切って参加して良かったです。
息子はどこの園でもたくさんのお友達がいるところで遊ぶことを楽しんでいました(^^♪
出席カードにシールを貼ったり、スタンプを押したり。どこに行っても大はしゃぎ。ちょっとテンション高くて困るほどでした。
お友達の遊び方を真似て砂場や遊具で遊んだり、絵本の読み聞かせの時間は私のひざに座って静かに聴いていました。
ただ、音楽をかけながら踊ったりする時間は参加したりしなかったりでした。息子にとってはまだラジカセの音に合わせて振付をするなんて高度過ぎたのでしょう(^^;)
手遊び歌がまだせいいっぱいでした。
時にはおもちゃの取り合いや順番でケンカもありましたが、他の子も同じなのでこれに関しては心配はありませんでした。
また通ううちに、先生方や保護者の方と打ち解けてきた頃合いを待って、「生まれつきの難聴で耳が聞こえないんです。それで耳に機械をつけて音を聞いているんです」という簡単な紹介はしていました。
絵カード遊びが発展する
夫と息子が絵カード遊びをしていました。
壁に貼ったくだもの絵カードから、息子が選んでくる遊びを二人でしていました。
突然、息子がその役を交代したがりました。こんなこと初めてでした。
そして自分が指示する側に。
(なしと いちごを 持ってきて)
と言って、パパが壁からカードを取ってきました。
(メロンと ももを 持ってきて)
とパパを使いはじめました(笑)
指示した内容が伝わって嬉しいみたいでした。
うまく言えないのが
「パイナップル」と「さくらんぼ」
「パイナップル」は、
「さくらんぼ」は、
「(ごにょごにょ) ぼ」…(^^;)
それでも言いたいこと、分かるよ~~!!!
使っていたのはこちらの絵カードです。
大きくて厚手の紙で扱いやすいです。
人工内耳を装用して51,52週間目の気づき
発語は前回から26語増えて約325語になりました。
- 発語(26語)
名詞 | 動詞 | その他 |
上手 | 拾う(拾って) | いい子 |
アリ | えーっと | |
おべんとう | あっかんべー | |
えびフライ | 重い | |
カエル | ほしい | |
おなら | あたらしい | |
メロン | 短い | |
栗 | いけない(いかん) | |
だちょう | ムテきち | |
たんぽぽ | ||
チューリップ | ||
桜 | ||
三角 | ||
キック | ||
パンチ | ||
こいのぼり |
- その他
二語文が増えてきました。
赤いズボン
あたらしい時計
パパねんね
○○どこ
一方で、語彙数はあまり増えませんでした。
声かけが単調だったことが思い当たります。反省です。
でも、こうして表出を書き出すことにより振り返りができ、次に活かせます。
- この頃読んでいた絵本
まずは、丁寧に。そして、気長に言葉かけしていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
指先使って立体あそび☆
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