さて、音のする方向の話です。
音のする方向、お子さんは分かりますか?
両耳装用することで、騒音下の聴き取りが良くなったり、音のする方向が分かるようになったりするといいますよね。
両耳装用によって
- 騒がしい場所でも会話が聞き取りやすくなる
- 音の方向感や距離感が向上する
- 片耳装用よりも疲れにくくなる
息子は人工内耳を両耳装用してからもう少しで5年。
一側目と二側目との間が2年空いていますが、閾値も語音明瞭度も左右差はありません。左右どちらから話しかけても会話できるようになりました。騒音下の聴き取りもそれまでに比べたら格段に良くなったと感じます。
だけど、音のする方向は全くダメです。
救急車や消防車のサイレンの音が聞こえれば(音のキャッチは早い!)、
「どこ?」と、検討違いな方向を見て探します。
おうちの中で息子を呼んでも、「お母さんどこなの?」と探す。
別にかくれんぼしているわけではありません。私の声が2階からするのか1階からするのかも分からないようです。
そうそう、友達とのかくれんぼ。聞こえる子は、「もういいよー」の声のする方向が隠れ場所を探すヒントになりますが、息子は分かりません。真逆を探していたりする様子を小さい頃から何度も見ています。
最初は切なくもありましたが、子どもたちは無邪気なもので、悲観するポイントじゃないなと思えるようになりました(笑)
両耳装用の利点として、音のする方向が分かるようになるとは聞いていたので、いろいろ試してきたのですが、、、
本人も音のする方向は全く分からないとはっきり言っています。
でも、年々よく聞こえるようになってきたのは感じます。
これはまた別の機会にと思いますが、年齢を重ねることによる経験値や語彙力なんかも大いに関係するのかなと思っています。
「聴く」と「聞く」
(意識的に)聴くことから得る情報よりも、何気なく聞く(自然と耳に入る)ことから入る情報の方が多いのかなと感じます。
聞こえる人からしたら聴くも聞くも無意識でしていますが、難聴児の場合、オンオフが必要な時期がありますよね。
息子を育ててきた個人的な感想としては、聴く力が伸びて、後から聞く力がついてきたように感じます。
聴く時のように、アンテナをはらず自然に耳に入って聞こえる状態を維持できるようになったのはいつからだろうかと思い巡らすと、両耳装用して一年くらい経ってからかなと思います。外でもいろんな音に気付くようになりました。(もちろん、聞こえる人と同じようには周囲の会話を聞きかじることはできません)
小さい頃から散歩中や公園や電車や街中で、「あ、何か聞こえるね」と声かけしていました。
気づきをあげて、
音が聞こえることを教えてあげて、
擬音化して、
なんの音なのか当てる(教える)
そして、音源を見て確認する
日常生活の中で、聞く力と音の方向感を育てるような声かけを意識してきました。
しかし、残念ながらこのとおり。
近ければどちらで話しかけられたかは分かりますが、遠くなるとキョロキョロします。左右からそれぞれ入る音の大きさで音のする方向を感じ取っているのだろうと思います。そのため、遠くから話しかけられると分かりません。
しかし、健聴者は左右の耳から入る音の大きさだけでなく、音の速さの違いで判断できるそうですね。生後半年くらいでこの能力は完成されると聞いたことがあります。
生後半年なんていったら、まだ補聴器すらしていませんでしたからね。しかも、補聴効果はありませんでした。
後天的に音の方向感を獲得する道はあるのでしょうか。
医師からはこれも経験と訓練だからと言われましたが、もうここは限界なのかなと近頃は思います。
まぁそれでも、声かけはしていきますが。
とはいえ、今はできないことよりも、
聞くことから気づきが増え、日常生活が彩り深くなったということに感謝する気持ちの方が大きいです。
音と光で楽しい太鼓☆
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